『上野先生、勝手に死なれちゃ困ります 僕らの介護不安に答えてください』

上野先生に勝手に死なれてもと全く困らない人も本書のテーマの自分の親の介護や死は切実だろう。そんなの関係ねーとは言ってられないはずだ。強引なのは承知の上での3冊目である。

本書は元東大教授の上野千鶴子と元教え子で、最近、『絶望の国の幸福な若者たち』で話題になった東大院生の古市憲寿の対談本。親の介護問題や死について古市の質問に上野が淡々と答えていく。希望を提示するわけでもなく、希望がないわけでもないところが何とも現実的だ。古市氏の「カイゴってよくわからないっす」「親に頼っちゃまずいっすか」って本音丸出しというか甘いというか見方によっちゃ軟弱なノリが全編を通じて表に出ているのが個人的には興味深い。院生で本を出してそこそこ売れるって言うのは浅田彰東浩紀のようなイメージだったが時代は変わったのね。それは本の内容とは関係ないけど。